MMT?
長引くコロナ禍に加えて、プーチンが始めた侵略戦争で世界経済は先行き不安が増大してきた。
もはやインフレに突入している。
ここで、財政健全化と積極財政という戦いが露骨になりつつある。
財政健全化論者は、財政出動したら増税して、国の収支は均一化する、つまり民間企業だったら借金のない状態にするという、ある意味当たり前の主張。
方や、積極財政主義を主張する方は、増税なしに財政出動を行って適正なインフレ率での成長維持を行うという主張?
でも、積極財政を主張する側には、いくつかの派閥がある模様。
この辺の議論は、かなり高度な経済学ができないとついていけないので、詳細は専門家に譲るとして・・・。
MMTなる理論を知ることになった。
素人が一読しての解釈は、
基軸通貨発行能力をもった一部の国(米ドル、英国ポンド、日本円など)は、財政の裏付けなく、通貨を発行して、民間側を黒字にすればよいという理屈らしい。
通貨発行といっても、国の残高に数値を足せば事足りて、発行した残高に応じた財政出動によって、民間にカネが回るということらしい。(政府の赤字は民間の黒字)
らしいと書いたのは、そりゃそうだけど、無限に通貨発行を繰り返せる筈もないと思うし、そもそも税金という裏付けなしに無尽蔵に通貨を発行してたら、そもそも租税は何のため???という疑問しか浮かばない。
でも、今まで半端な財政出動と、財政健全化という抵抗勢力に阻まれて、半端な金融緩和しかできていないから、不況が長く続いているという主張らしい。
仮にこの理論が正しかったとしても、何かの数値的な論理(つまり計算できる定量的な証明)が成立しないと釈善としない。
そんな疑問というかモヤモヤを抱えながらこの本を読み切ったあとに、とある著名経済学者の解説動画にたどり着いた。
この先生自身が積極財政論者であるが、裏付けの理論はどももMMTとは異なる。
こちらの先生は、国の財務はBSで保有資産をきちんと計上したうえで、黒字だ赤字だ、国債発行額だを判断するべきという主張の模様。
何回も言うが、経済学素人の私にでも、BSの資産(現金以外)を評価して計上したうえでの、財務状況が正しい姿というところは論理的に腹落ちする。
決定的だったのが、「MMTは定量的に評価できないからNG」という評論だった。
そう!少なくとも財務を語る際には、数値計算で示したうえで、通貨発行限度額は示すべきと思う。いくらなんだって、無限に通貨を発行し続けて、景気がバランスするなんて、おかしい。
私の結論は、この本を読んでいる最中にモヤモヤしていた数値的根拠が不明である点をこの先生が指摘していたことについては納得することができた。
ただし、経済理論に色んな説があるが、正解はなんだかわからないというモヤモヤはわ私の中で解消されてはいない。