国連の賞味期限切れ
今に始まったことではないが、国連は機能していない。
第二次大戦後におきた大抵の国際紛争には大国が関与している。
戦後の大国、つまり現在の常任理事国である。
ご存じの通り、常任理事国には拒否権はある。従って、国際紛争を解決するための安全保障理事会が正常に機能することはない。
アメリカの最大の失敗は、国連結成当時の中国(中華民国=台湾)を共産党(中華人民共和国)に入れ替えたことであろう。もちろん当時は、中ソ対立という社会主義国同士の対立があった時代なので、ここをうまく利用したいと考えたのであろう。
しかし、共産党政権の本質は変わらないという基本原則を当時忘れてしまったのであろうか?この構図は、現代の中越関係にもあてはまる。
西側は中国との対抗軸にはベトナムという緩衝材は重要な存在である。ベトナム自身が有史以来、中国には虐められてきた。
現在も南シナ海では大きな脅威を感じているであろう。
しかしながら、忘れてはならないのはベトナムも共産党が仕切っているということである。そう、民主主義国ではないのである。西側諸国は二の轍を踏まないように留意すべきである。
さて、話を国連に戻すと、国連の存在意義は果たして保たれているのであろうか?
事務総長(英語で何と呼ぶのか?Secretary Generalと呼ぶらしいが)という言葉を日本語で額面通りに捉えると、あくまでも事務方のトップなのである。
つまり調整役に過ぎない。そもそもの組織上、調整機関でしかない。
しかも冒頭に述べた通り、常任理事国の拒否権によってなんの強制力も持ち合わせないのである。
そんな組織に、さらに何の権限も発言力も担保されていない、日本は世界第3位の資金拠出を行っているのである。その額およそ年間260億円。
GDPに応じた負担割合という側面はあろうが、今一度意味を考える必要がある。
意味とは、日本の立ち位置ばかりではなく、国連の存在意義についてである。
トランプ前米国大統領が、国連の1機関であるWHOへの資金提供をやめるといったことがあるが、ある意味国益にかなわないのであれば当然の判断なのではないか?
今回のロシアのウクライナ侵攻(微妙だが)危機に際して、国連の無力を改めて感じざるを得ないのである。