ビジネス失敗の本質

千三つという言葉がある通り大抵のビジネスは失敗する。

 

実際の失敗比率を定量的に示したデータは見つけられていないので、本当に3/1000つまり成功率0.3%が正しいかどうかは不明なれど、成功例は少ないのは言うまでもない。

 

なぜ失敗するのか???

 

大雑把に2つのパターンを考えてみると、

1.ベンチャー企業のチャレンジ(あるいは脱サラ起業)での失敗

2.大企業の新規ビジネスの失敗

 

前者は資金調達が廻らなくなるのが大きな課題。

起業家はビジネス開発、営業と併せて資金調達も平行して行う必要がある。成功するには、それこそ命がけの奮闘が必須である。

イデア・運・支援者の3つを同時に得なくてはならない。

手元資金は初期に食いつぶすしかないので、時間との闘いとなる。

 

後者は、準備不足、危機感の欠如が原因と思う。

要は、緻密な設計ができていない場合がほとんどの理由ではないかと思うのである。

思うと書いたのは、こちらも失敗データは表に出にくい。

特に民間会社の商品企画の失敗例なんて、それこそ天文学的な数字なんだろう。

大抵の新規ビジネスは思い付きから始まる。それ自体は悪いことではないと思う。

 

そこから、担当者が背水の陣で、緻密なデザインでビジネスを組み立てているかという点が疑問を感じる部分である。

大抵は、詳細な検討無に突入して討ち死にというパターンなんではないかと思う。

実際、大企業で新規ビジネス担当者は結構厳しい局面に立たされていると感じる。

例えば、アイデア⇒検証(技術/市場)⇒マーケティング調査⇒分析 といった一連の準備活動をキチンと行えば1年以上要しても不思議ではない。

そのあとに首尾よく市場投入できても成果が出るのはさらに1年先。

2年で結果が出るのは相当早いと思う。

 

しかしながら、社内の評価は1年単位で結果を要求される。

 

というアンバランスな環境によって、十分な検討ができないまま市場投入・・・失敗とつながるのではないか?・・・・と思う。

 

トップが揺るぎない方針で指示すれば、こういう部分は解消できる場合もあるが、大抵トップの思い付きと過去の成功事例が頭をよぎるため、担当者は益々追いつめられるパターンも考えられる。

 

担当者も起業家に比べれば、給与は貰える、資金は社内決裁により使える、失敗しても馘にはならないという恵まれた環境を十二分に生かしきれない。

 

結局、社内新規事業も強い信念と情熱を持った担当者と成功を確信してバックアップできる同様に強い意志をもった経営者が必要なのである。

 

日本の大企業、ほぼサラリーマン上がりの社長がリスクを取った積極経営ができている・・ということについては疑問が残る。

 

日本が成熟したことによる成長鈍化にはこういう問題が横たわる気がしている。

 

かつて、三菱、古河、トヨタ、ホンダ等々の大企業もベンチャーから始まっていたのである。なぜ、現代の日本のベンチャーGAFAのような強大な勢力に成長しないのか?

(SBなどの成功事例はあるものの)

 

こちらは先に述べた資金調達の問題も大きく関係すると思う。

大企業はご他聞に漏れず、新規事業、オープンイノベーションによるベンチャーとの協業を掲げるが、本当に投資判断を迅速に行えるか?という点については甚だ疑問を感じるのである。

 

大企業の役員などはいまだに子会社に転籍してサラリーマン人生の終盤を迎える慣習は維持されている。役所もまた然り。

 

安定を最後まで求めている人たちにリスクを背負う覚悟があるとは思えないのである。

 

なんか纏まりが悪い文章になった。